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「四国ダービー」には 最も獲りやすいG1タイトル というイメージがある。
たしかに、四国地区だけ例外的にB級選手が出場してきたこともあり、他地区からみれば【特異】とみられて当然だろう。しかし、参加枠がゆるめ(?)にしても、「タイトルを手にする」ことの難しさは他地区のそれと何ら変わらない。 例えば、重成一人はこの「四国地区選手権」を一度しか優勝していないし、木村光宏や森高一真(今大会は不参戦)などは一度もこのタイトルを手にしていない。この事実は意外ではないだろうか?
三嶌誠司、烏野賢太、濱村芳宏、田村隆信と、これら銘柄選手もいずれ優勝は一度だけ。イメージ的には、ここに挙げた顔ぶれが順繰りに勝っていそうな印象だが、実はそうでもない。それが「四国ダービー」の一つの特色ともいえる。つまり、四国を代表する銘柄選手ですら、簡単に手にできるタイトルではないということだ。
理由はいくつか考えられるが、まず、「獲りやすい」という認識が、幅広い実力層に共有されていることが挙げられる。中堅、下位層にとっては「もしG1が獲れるならこのタイトル」という意識はあって不思議はない。実際に例えば、あまり記念レースを走らない選手でも、いいモーターを手にして調子が良ければ、勢いのまま突っ走って一気に優勝…という可能性がある。G1タイトルを一つとれば、翌年のG1やSGで活躍する機会が格段に広がる。あえて下世話な言い方をすれば、選手にとっては「まぐれでも勝てばしばらく稼げるタイトル」といえるのだ。 こうしたチャレンジャーは銘柄クラスというより第二グループに潜んでいて、こうした存在がこのタイトルを沸かせてきた。また、第三グループというべきか、滅多にG1戦など走る機会のない層にとっても、やはりこのタイトルはチャレンジの場になる。実際、このタイトルには「G1初」が非常に多い。G1初出走、G1初勝利、G1初優出、G1初優勝と、四国の選手の「G1初」は、ほとんどこの「四国地区選手権」で発生していると考えていいぐらいだ。要するに、上層を固める銘柄クラスに食い込むチャンスをうかがい、第二、第三のグループから勢いのある選手がせり上がってくる。これが「四国ダービー」の面白さの一つであり、また、強い選手だからといって、容易にタイトルを複数回手にできてはいない最大の理由ともいえる。
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さて、これで「四国ダービー」が思ったほどお手軽なタイトルではないことが理解されたと思う。
しかしこの、そう何度も獲れはしないタイトルを実は、一人で5度も優勝している選手がいる。瀬尾達也がその人だ。97年の第34回大会を皮切りに、04年、05年の連覇を含め過去V5。これを単に「縁」で片づけていいものだろうか。 例えば、艇界の一時代を築くと同時に四国勢のレベルの高さを全国に知らしめた二大巨頭、安岐真人と中道善博(共に引退)ですら、このタイトルの優勝は3回ずつだ。これが少ないというより、やはり、瀬尾達也のタイトルとの相性が群を抜いていると認識するべきだろう。 なおこの瀬尾達也は、3期前に自身28年ぶりとなるB級落ちに甘んじたが、その後は順調に復調し、前々期A2、前期A1と、本来のポジションに戻っている。当然、今回もタイトルV6を現実的にとらえて乗り込んでくるはずだ。 |
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過去10大会で、「四国地区選手権」優勝戦の枠は合計60。つまり、最大60名の選手が登場できるわけだが、実際にはその半数以下の29名でこの60の枠を占めてきた。
直近10大会のうち、複数の優出を数えるのは左の通り。 ※ 【】内は優勝戦の成績を古い順に記載。古→直近 過去10戦に限っての優出回数は、トップが同点で3名いる。10大会中4優出を決めている重成一人、木村光宏、林美憲。いずれも安定感を感じさせるが、中でも林美憲の成績は勝負強さをうかがわせる。
また、同じ意味では3回組から瀬尾達也、秋山広一、丸尾義孝、田村隆信もきっちり稼いでいる印象で、今大会も優出すればその勝負強さは「買い」の材料になる。
もう一点、宮武英司と福田雅一にも注目したい。両者とも優勝戦では際立つ活躍がないが、同タイトルにおける「準優突破力」は評価できる。準優に乗ってきたなら軽視できない存在となる。 |
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四国四県の選手のみで争われるタイトルだが、支部でいえば徳島と香川の二つしかない。四国のファンにとって、「四国ダービー」は開催地の地元選手が優勝する、というイメージが根底にある。事実、結果をみればそれもうなずける。
そのイメージを定着させたのが、第24回大会の81年から92年の第35回大会までの影響が大きいだろう。この12年間、鳴門で開催されれば徳島支部が、丸亀開催なら香川支部が…と、必ず地元勢が優勝を決めた。地元水面の牙城を守ろうという闘志が、レースによくあらわれていた時代だった。 その「定説」は93年に途絶えたが、以後も昨年大会までの19年間で、計13回が地元優勝となっている。つまり地元優勢といえるのだが、しかし、一方で12年間保たれていた均衡が崩れた…と考えることもできる。記者個人の印象としては、次第に「地元意識」というものが、かつてほど熱いものではなくなっているように感じる。もちろん熱いものはいまもある。ただ、昔のようにがむしゃらな雰囲気とは違うように思う。もちろんこれは全国的にいえることで、選手たちの「闘志」に関する考え方が変わってきている。事故のリスクを背負ってまで「よそ者」を撃破しようとの意識は、選手として疑問を持つ向きに傾いてきているのだろう。 |
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今回の丸亀「四国ダービー」では、地元香川勢が熱い闘志で挑むのは当然だが、徳島勢が「優勝できなくても仕方ない」などと考えているわけではない。「四国ダービー」直近5大会の優勝戦では、3連単の平均配当金が13,480円。昨年の22,140円を筆頭に、5戦中3件が3連単の万シュウ券となっている。単純に「地元優勢」と考えていいならば、これだけ高めの配当にはならないだろう。つまり、地元選手からみて「よそ者」でも、勢いのある選手、決定力のある選手なら、優勝戦で要チェックの存在となるということだ。
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取材と文 : 榊原ようご@ていゆうニュース
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